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The Smashing Pumpkins/Zeitgeist を再評価する

最近は珍しく技術系の勉強に勤しんでいます。脳みそが疲れてきたので、休憩がてら気軽なエントリーを置いときます。

The Smashing Pumpkinsの再結成&ツアーが発表されましたね。
現時点では日本へのツアーは決まっていませんが、きっと来日してくれると信じています。
今回はそんなThe Smashing Pumpkins(以下スマパン)が2007年にリリースしたアルバム「Zeitgeist」について個人的な感想をお伝えします。

目次

The Smashing Pumpkinsとの出会い

高校2年生の頃に3rdアルバム「Mellon Collie and the Infinite Sadness」をツタヤで借りました。
表題曲はピアノソロのオープニング、そこから2曲目「Tonight,Tonight」の期待に満ち満ちたイントロが流れた時点で心をガッツリ掴まれました。
2枚組2時間に及ぶアルバムを聴き終えた頃にはすっかりファンになっていました。
その後、既に発売されていたアルバムを全て購入し、何度も聴き直しました。
残念ながら私が聴きはじめた時点でスマパンは既に解散しており、その時点では新曲を聴くことは叶わぬ夢でした。

しかし、それから数年後、フロントマンのビリー・コーガンはスマパンの再結成と活動再開を宣言する。
この再結成後、初めてリリースされたアルバムが「Zeitgeist」である。

(当時の)Zeitgeistへの感想

あくまでも私個人の感想です。

発売日当日に予約していた「Zeitgeist」をタワーレコードで受け取り、大急ぎで家に帰って聴いてみた。
オープニングは「Doomsday clock」世界終末時計とは大層なタイトルだ。スピーカーから流れてきた、ビリー・コーガンの声。スマパンの新曲を聴けるという喜びが耳から順繰りと体に巡っていく。
アルバムの1週目は感覚が喜びで麻痺している間に終わってしまった。何曲かグッとくるものがあった気がするので、とりあえずもう一度聴いてみる。少し冷静になった頭で2週目を聴ききおえる。
うん…うん。これはスルメアルバムだな。聴けば聴くほど良さが出てくるやつに違いない。ipodに入れてしばらく聴いていれば、過去のアルバム同様に特別な一枚へと変わっていくだろう。
そう自分に言い聞かせたのだが、これを最後に、私は「Zeitgeist」を通して聴くことは今日まで無かった。
端的に言ってしまえば、このアルバムを他のアルバムに比べて好きになれなかったのだ。
期待していた分、当然ハードルは高くなっていたと思うのだが、果たしてそれだけだったのか。
このアルバムを最後に私はスマパンの新譜を聴かなくなった。

求めていたものとの乖離

Zeitgeistを好きになれなかったのはとても単純な事で、"当時の"私が描き求めていた理想像と異なる作品だったからです。たぶん。
当時の私が求めていたものは「再結成以前のスマパン」でした。
再結成以前のスマパンの音楽を一言で形容するのは私の拙い表現力では不可能だ。彼らの音楽は緻密でありながら隠しきれない程の衝動性をはらんでいた。美しいメロディーラインを主軸としながら紡ぎ出される数樹の楽曲。その中で平然と実験的な試みを仕掛けてくることもある。
特に初めて聴いた時の「Mellon Collie and the Infinite Sadness」では、一枚のアルバムの中で様々な感情の変化がもたらされ、濃厚な物語を読み解いた後のような余韻を感じました。

Zeitgeistが提示したもの

再結成したスマパンが発表した「Zeitgeist」とはどんなアルバムだったのか。
ジェームス・イハ、ダーシーが抜けたため、オリジナルメンバーはビリー・コーガンとジミー・チェンバレンの二人。これには発売前に不満がちらほら聞こえていたのを覚えている。
(ドラム以外の楽器はコーガンが全て受け持つというオールマイティーっぷり。1stアルバムもギターはコーガンが弾いていたという話(噂)もあるので、実質この二人でスマパンのサウンドは再現出来ると言えば出来てしまうのかも知れないが…)
発売された「Zeitgeist」は一聴して過去の作品とは異なっていた。あえて言えばGishやマシーナ辺りのグランジ/ギターロックを感じさせる作品ではあるが、それでも過去の2作とは大分毛色が異なっている。
ここで彼らにとっての再結成がどんな意味であったかを考える必要がある。
彼らが実現したかったのは、過去の作品を懐かしみ再結成というイベントを盛り上げる事を本意としない、本当の意味でスマパンの活動を再開させたかったのだと思う。
前述した"再結成というイベント"であれば、用意する音源は過去の作品のエッセンスを取り込んだ、既存ファンへ向けた回帰的なもので十分だった。
「Zeitgeist」はそんな再結成ブームに便乗した軟派なアルバムではない。本当の意味でのスマパンの「新作アルバム」だ。
スマパンは変わったのではない。解散→再結成を経て一歩進んだのだ。そのバンドの今を表したアルバムこそが「Zeitgeist」なのであろう。(と思うことにした)

Zeitgeistを再評価する

(勝手な)前提条件を付け加えて、あの時受け入れられなかったZeitgeistを聴き直してみた。
改めて聴いてみると楽曲の完成度の高さが素晴らしい。ドラム以外を全て担当したビリー・コーガンの執念にもにたこだわりを随所で感じることが出来る。
そして最終的に私個人の結論を述べれば「あまりこのアルバムが好みではない」と感じた。
上記に述べたとおり、楽曲の完成度が高くなっているが、ビリー・コーガン特有のメロディアスさが抑制されている。何度も聴くことで洗練された楽曲の良さを認識する事が出来るものの、継続して聴こうという気持ちがイマイチ湧いてこなかった。
まぁ、好きなバンドとはいえキャリアが長ければ、1枚~2枚くらい好みでないアルバムもあるだろう。
大事なのは、このアルバムは再結成の為に作られたアルバムではなく、キャリアの中の1アルバムであるということ。それに対して好き嫌いが出るのは当然で、スマパンというバンドの本質は変わっていないと再認識した。そして彼らがZeitgeistを経てどのように進化してきたのか。まだ聴いていない「Zeitgeist」以降のアルバムに俄然興味が出てきた。
2018年、(ほぼ)オリジナルメンバーで活動を開始したスマパン。きっと新しい音源も発表されるであろうが、それはどんなものになるのか。ハッピーニュースに対して心が躍る。どうやら彼らに対する興味はまだまだ尽きそうに無い。